避妊リング(IUD)と
ミレーナ(IUS)の違い
避妊作用があるものとして、低用量ピルのほかに子宮内避妊リング(IUD)があります。 子宮内避妊リングに銅付加タイプ(Cu-IUD)と黄体ホルモン放出タイプがあります(IUS)。
避妊リング(IUD)とは
子宮内避妊具とするIUDを子宮内に入れると子宮内に免疫反応が起こり、精子の動きを阻止し、受精卵の着床を防ぎます。当院では、避妊率の高い銅付加タイプのIUDを採用しております。IUDの装着と除去は、産婦人科医が行います。約10年使用できます。装具であって薬剤ではないため、授乳中の方も使用可能です。ただし、子宮内装着のため、分娩経験のない方にはお勧めしません。
子宮内避妊システム(IUS)とは
ミレーナは、子宮内で黄体ホルモンが放出されることにより、子宮内膜の増殖が抑えられて薄くなり、受精卵の着床を妨げるとともに、子宮の入り口の粘液を変性させ、精子が子宮内に侵入するのを防ぐため、高い避妊効果があります(99.8%)。約5年間は装着可能です。ミレーナの装着及び除去は産婦人科医が行います。月経の量が減り、月経の痛みを改善するため、月経困難症や過多月経の治療にも用いられます。避妊もしたいが月経を楽にしたい方や次の妊娠まで年数をあけたい方などにおすすめです。
費用
初回診察 (子宮頸がん検査、経腟超音波検査、クラミジア淋菌同時核酸検査) |
9,900円(税込) |
---|---|
当院子宮がん検査後(1年以内) | 4,400円(税込) |
他院子宮がん検査後(1年以内) | 7,700円(税込) |
銅付加リング(Cu-IUD) | 33,000円(税込) |
ミレーナ(IUS) | 55,000円(税込) |
除去 | 11,000円(税込) |
※診察料(初診3,300円、再診1,100円)が別途かかります。
ミレーナとは
ピルよりもミレーナの方が避妊の効果が高いとされています。ピルは毎日服用する必要がありますが、ミレーナは一度装着すれば、最初の1年は数回検査がありますが、2年目以降は年に一度の検査で十分です。またピルにはある血栓症の副作用がミレーナにはないのでリスクが高い方にはお勧めです。
ミレーナとピルの違い
ピルよりもミレーナの方が避妊の効果が高いとされています。ピルは毎日服用する必要がありますが、ミレーナは一度装着すれば、最初の1年は数回検査がありますが、2年目以降は年に一度の検査で十分です。またピルにはある血栓症の副作用がミレーナにはないのでリスクが高い方にはお勧めです。
ミレーナをお勧めの方
- ピルの服用ができない喫煙者、血栓症リスクが高い方、40歳以上の方
など - 過多月経、月経困難症の方など
- 子宮内膜増殖症(単純型)、子宮腺筋症の方
ミレーナを使用できない方
- ミレーナに含まれる成分に過敏症の方
- 未診断の不正出血がある方
- 黄体ホルモン依存症腫瘍の疑いや既往のある方
- 性器がんの疑いや既往のある方
- 子宮の形状や位置に異常がある方
- 卵管炎や子宮内膜炎のある方
- 性器感染症(カンジダを除く)のある方
- 膣炎や子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患の既往がある方
(3カ月以内に) - 感染性流産、分娩後子宮内膜炎になった(3カ月以内に)
- 性感染症の既往がある方(3カ月以内に)
- 子宮外妊娠になったことがある方
- 肝腫瘍など重篤な肝障害がある方
- 子宮口拡張による痛みや徐脈が出たことがある方
- 妊娠している方、妊娠の可能性がある方
ミレーナの避妊効果
ミレーナはピルよりも高い避妊効果が得られます。一度挿入すれば、それ以降5年間は避妊効果があります。子宮内膜の増殖を抑えることで月経量が減少します。子宮内膜だけに作用するため、全身の副作用がありません。また、避妊効果だけではなく、月経困難症など強い生理痛を緩和できます。ピルのように毎日服用する必要がなく、40歳以上の方や喫煙される方でもミレーナは使用することが可能です。
過多月経・器質性月経困難症
の方にもおすすめ
黄体ホルモンの持続的な放出によって、子宮内膜の増殖が抑えられます。これによって、月経量が減少して毎月の生理が楽になります。
また、過多月経や月経困難症の治療が目的でミレーナを使用する際は保険適用で行うことができます
ミレーナのメリット
経血量が大幅に減少し月経痛も楽になります。なお、ミレーナの使用中、生理月経がなくなっても原則妊娠の心配は要りません。
ミレーナ装着中の女性の約10%で月経が来なくなります。
ミレーナの副作用
主な副作用
- 月経周期の変化
- 月経日数延長
- 月経以外の出血
- 卵巣嚢胞の発症
- 腹痛
などが起こる可能性があります。
重篤な副作用
- 子宮外妊娠
- 導入時の子宮穿孔
- 骨盤内炎症性疾患(PID)
など
装着数日後に起こる
可能性がある症状
- おりもの
- 不正出血
- 下腹部痛
- 腰痛
など
装着数カ月後(3カ月から半年)に起こる可能性がある症状
月経以外の出血が少量現れることがあります。装着後の主な副作用は、日にちが経過すれば次第に治まりますが、症状の現れる時期や症状には個人差があります。
ミレーナの使用における
注意点
脱出に気づかない
気づかないうちにミレーナが脱出していることがあります。脱出率としては、装着後1年以内で約1.5%とされています。ミレーナが正しい位置に装着できているか、必ず定期検診を受けて確認してください。
ミレーナの糸を引っ張らない
ミレーナを除去する際に使用する糸が子宮口辺りにあります。絶対にミレーナの糸を引っ張らないようご注意ください。
装着時の痛み
特に経腟分娩を経験されていない方で装着時には痛みが伴うことがあります。装着後まで痛みが残る方はほとんどいません。
抜去のための子宮口から出ている糸により、それが膣壁にあたることによる違和感や、性交渉の際のパートナー側の違和感が稀にあります。
ミレーナの挿入時、慎重に検討する必要がある症例
子宮腺筋症
子宮筋層の厚みが5cm以上ある場合は、ミレーナが脱出しやすいほか、月経困難症の症状を改善する効果が得られないことがあります。このため、子宮腺筋症がある場合には慎重に検討します。
子宮筋腫
筋腫が大きい場合や粘膜下筋腫がある場合、ミレーナが脱出する可能性が高くなります。
また、筋腫が子宮内膜に近い場合は不正出血が持続することがあります。このため、子宮筋腫がある場合には慎重に検討します。